令和4年度 門司メディカルセンター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - - 13 16 45 118 393 974 897 352
 当院は、急性期の総合的医療を実施しつつ、包括的な医療福祉も実施するハイブリッド型の医療を提供しています。
 門司地区は北九州市の中でも高齢化が進んでいますが、地域性もあって、全体で見ると60歳以上の患者さんの頻度が多く、
全体の90%を占めています。
 10代、20代は骨折等の外傷が多く、30代では尿路結石や急性虫垂炎等の疾患もあります。
 40代になるとこれに腸炎や胆のう・胆管炎が加わり、50代になると心疾患や変形性関節症が多くなります。
 60代では白内障や悪性腫瘍が多くなり、70代もほぼ同じ傾向ですが、糖尿病が増えています。
 80代以上の高齢になると肺炎や心不全と並び、骨粗鬆症に伴う大腿骨近位部骨折が多くなっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-手術なし-処置1:0-処置2:1あり-副病:0-0 38 17.42 14.28 0.00% 73.26
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 28 15.64 10.80 0.00% 72.46
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物-手術なし-処置1:0-処置2:5あり-副病:0-0 13 32.46 16.47 0.00% 76.46
050130xx9900x0 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:0-他の病院・診療所の病棟からの転院以外 10 21.70 17.54 10.00% 88.20
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 - - 13.61 - -
 当院内科で一番多いのは、糖尿病の患者さんです。インスリン注射等の治療内容で2つに分かれております。
糖尿病の入院では、食事や生活習慣を見直し、血糖値を改善する為の入院や、他の病気で手術を行う前などに
血糖値のコントロール等も行っています。

 多発性骨髄腫は形質細胞の癌です。形質細胞は、細菌やウイルスが体に入ったとき、一部のリンパ球が形質細胞に変化し、
細菌やウイルスと戦う抗体を作ります。この細胞が癌化し異常増殖すると正常な血液細胞を造る造血機能が抑制されたり、
骨が破壊されたりします。そのため化学療法で異常増殖を抑えます。

 当院には循環器内科、泌尿器科もありますが、内科的疾患の精査が必要な方、あるいは持病に内科的疾患のある患者さんの
心不全、尿路感染症等は、必要に応じて他科と連携しながら、当科でも診療を行います。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:0-他の病院・診療所の病棟からの転院以外 85 22.57 17.54 12.94% 86.44
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈-経皮的カテーテル心筋焼灼術-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 49 7.29 4.65 0.00% 72.53
050050xx9920x0 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:2あり-処置2:なし-副病:0-他の病院・診療所の病棟からの転院以外 45 4.36 3.22 0.00% 76.64
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:1あり-処置2:なし-副病:0-他の病院・診療所の病棟からの転院以外 38 3.13 3.04 0.00% 69.97
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-経皮的冠動脈形成術等-処置1:なし、1,2あり-処置2:なし-副病:0-0 37 6.60 4.26 0.00% 75.70
 心不全の患者さんは、急性期の治療を行った後は、虚血性心疾患や不整脈などの原因の検索、治療を行います。

 頻脈性不整脈は、通常規則正しく動いている心臓の心拍数やリズムに異常が起きて、頻回に拍動している状態です。
カテーテルを使って不整脈の発生場所や、発生した不整脈を伝えている伝導回路を焼灼(カテーテルアブレーション)します。
昨年は心不全での入院等も含めて54件のカテーテルアブレーションを実施しました。

 虚血性心疾患には狭心症、無症候性心筋虚血、心筋梗塞等があります。虚血性心疾患の入院の場合、
心臓カテーテル検査を行い、必要性に応じて冠動脈ステント留置術等の血行再建術を行います。
 昨年度は、他疾患での入院時に虚血性心疾患が疑われた入院等も含めて、検査を行った入院が113件、
血行再建術を行った入院が45件となっております。

 循環器疾患の患者さんの入院においては、基礎疾患の治療、再発の予防のため、入院中、外来を通じて
心臓リハビリテーションを行います。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060040xx99x70x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍-手術なし-処置1:0-処置2:7あり-副病:なし-0 42 4.00 4.47 0.00% 68.50
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)-ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 26 10.35 4.59 0.00% 74.92
060040xx99x50x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍-手術なし-処置1:0-処置2:5あり-副病:なし-0 21 4.00 4.25 0.00% 72.76
060040xx99x6xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍-手術なし-処置1:0-処置2:6あり-副病:0-0 19 3.95 4.38 0.00% 71.68
060035xx99x5xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-手術なし-処置1:0-処置2:5あり-副病:0-0 18 4.00 4.24 0.00% 65.06
 1、3~5番目に大腸の悪性腫瘍が挙がっております。当科では、外科手術治療以外に化学療法にも力を入れています。
近年、化学療法を外来で行うことが多くなってきましたが、入院を希望される患者さんも居られ、入退院を繰り返しているため、
DPC細分では大腸癌に対する化学療法目的の入院症例数が多くなっています。
 大腸癌の患者様が多くなっておりますが、当科では他に乳癌や胃癌等の悪性腫瘍の診療も行っております。

 ヘルニアは、痛みなどの症状があると手術の対象となります。当科では負担の少ない、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術を行っております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 51 33.31 20.09 17.65% 82.57
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 47 47.34 26.42 40.43% 84.87
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 25 38.96 20.14 0.00% 70.00
160980xx99x0xx 骨盤損傷-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 23 31.78 19.98 34.78% 83.00
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 12 38.17 22.44 16.67% 76.92
 整形外科入院患者さんの疾患・外傷で1番多くを占めているのは、胸椎・腰椎の椎体骨折です。骨粗鬆症などで骨が弱くなることが
原因としてあげられます。治療法は、コルセットで固定して安静を保ち、骨の変形を防いで骨癒合を待ちます。
痛みが引いてきたらリハビリも行います。

 2番目に多い傷病は大腿骨近位部骨折です。骨粗鬆症になると、この骨折が起きやすくなります。寝たきりにならないために、
早期に手術による治療を行います。

 3番目は変形性股関節症、大腿骨頭壊死など股関節の変性疾患で、人工関節置換術を行った入院です。
関節軟骨や軟骨下骨などの変性・変形が進み、鎮痛薬等を使っても痛みが取れない場合に手術を行います。
手術後は十分なリハビリ、機能訓練を行った後、在宅復帰されています。股関節の他、膝関節の治療も行っております。

 骨盤損傷には、恥骨や仙骨の骨折等があります。リハビリの他、骨粗鬆症が検査で見つかった場合、
内服・注射等の骨粗鬆症の治療も行います。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤-手術なし-処置1:あり-処置2:なし-副病:0-0 15 5.80 2.95 6.67% 78.53
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 13 17.54 15.97 7.69% 76.54
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷-その他の手術あり-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 13 15.39 10.14 7.69% 73.08
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:2あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 16.01 - -
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 - - 8.54 - -
<脳動脈瘤について>
 脳動脈の一部がこぶのようになった状態で、破裂するとくも膜下出血や脳出血になるリスクがあります。無症状のことが多いですが、
破裂の危険性が高い場合は治療が必要になります。治療が必要かどうか、脳血管造影検査で調べます。

<頭部外傷について>
 頭部外傷は、救急診療の現場において高い頻度で遭遇する疾患です。頭蓋内損傷の程度により、内科的治療(薬物治療)のみで
治療する場合もありますが、必要であれば緊急で開頭血腫除去術や慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術等の外科的治療を行います。
当院では特に高齢患者様の受診割合が高く、そのため同疾患の治療頻度が高いと考えられます。

<脳梗塞について>
 1入院中に複数の疾患の治療を行った症例も含めますと、昨年度当院で入院治療を行った脳梗塞の患者様は91名になります。
DPCでは治療内容等で細かく分類されるため、実際の患者数より少なくなっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-片眼 183 2.46 2.63 0.00% 77.33
020250xx97xxxx 結膜の障害-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 - - 3.09 - -
020280xx99xxxx 角膜の障害-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 - - 16.67 - -
 眼科では殆どが手術目的の入院となっています。当院では殆どが白内障です。平均年齢は77歳ですが、若い方は50代、
上は90代の方もおられます。手術を受けられる意志がはっきりとあり、仰臥位を一定時間保てるようであれば、局所麻酔で
手術することが可能です。眼底などに疾患がなければ、視機能の回復が期待できます。両眼の手術を受けられる場合、
片目の手術後に一旦退院し、1週間から2週間後に再度入院して反対眼の手術を受けられることが多くなっています。
 
 症例は多くはありませんが、高齢の方に多い翼状片や眼瞼下垂・内反症の手術も行っております。
 
 手術の他、角膜潰瘍等の内科的治療も行っております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:0-副病:0-0 88 2.61 2.45 0.00% 74.27
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 68 16.91 13.61 8.82% 79.44
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 66 13.64 6.85 3.03% 79.17
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患-体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき)-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 64 2.02 2.49 0.00% 65.28
110310xx01xxxx 腎臓又は尿路の感染症-経尿道的尿管ステント留置術-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 28 19.61 13.78 7.14% 81.50
 泌尿器科では癌の検査・治療を行っています。前立腺癌が疑われた場合、1泊2日で麻酔下に針生検を行っています。
前立腺癌と診断した場合、手術による前立腺摘出術や内分泌療法、化学療法を行っています。

 有熱性の尿路感染症で入院された方も多く、抗菌薬の投与を行います。尿管狭窄等が尿路感染症の原因と
なっている場合は、手術で尿流を確保します。

 膀胱癌は、内視鏡を用いて癌を切除する経尿道的膀胱腫瘍切除術や膀胱全摘除術、化学療法を行っています。

 当科では、尿路結石症に対して、主に体外衝撃波結石粉砕術の治療を行っています。本治療は外来でも行っていますが、
安全のため、入院加療をお勧めしています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 60 2.22 2.64 0.00% 69.48
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-0 26 10.39 8.94 0.00% 77.08
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍-内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術-処置1:0-処置2:0-副病:0-0 13 10.08 7.76 0.00% 76.77
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし-0 12 9.00 9.00 0.00% 77.75
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの)-その他の手術あり-処置1:0-処置2:なし-副病:0-0 11 10.73 10.88 18.18% 74.09
 2020年4月より消化器内科が再開となり、それまで外科で診療を行っていた大腸ポリープの治療を当科で行っております。
治療後の経過観察が必要なため、1泊2日の入院にて切除とさせていただいております。

 胆管炎や胆のう炎は、胆のうで作られた胆汁が、結石や胆管の狭窄などでうっ滞し、そこに細菌感染が加わって炎症が起こると
発症します。抗生剤等で良くなる症例もありますが、結石の除去や狭窄部位の切開等、必要に応じて内視鏡による治療を行います。

 早期に発見された胃癌は、内視鏡での治療が可能です。胃癌が大きくなると開腹手術による胃の切除が必要になりますが、
進行前に発見できれば、腫瘍部分だけを内視鏡で切除できます。

 腸閉塞(イレウス)の治療では、絶食・点滴による腸管安静や、胃管やイレウス管を挿入し、腸に溜まった空気や
胃液の吸引を行います。手術が必要な場合は、外科と連携して治療を行います。

 当科では吐血、下血による急患を積極的に受け入れています。内視鏡検査を行い、胃十二指腸潰瘍等の出血が見つかった場合は、
そのまま止血治療を行います。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 16 - - 20 - - 1 8
大腸癌 - 13 53 24 - 56 2 9
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - - 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 5大癌とは、発症症例数が多いとされる胃癌、大腸癌、肝臓癌、肺癌、乳癌の事をいいます。UICC(国際対がん連合)が定めた
腫瘍の病期分類があり、T(原発腫瘍の拡がり)、N(所属リンパ節転移の有無と拡がり)、M(遠隔転移の有無)を評価し、それを指標に
癌の進行度と拡がりの程度を、一度に表すことが出来るように作られたのがStage分類です。この指標では、当院が入院治療を行った
5大癌のStage分類毎の患者数を示しており、退院した実患者数となっています。そのため、一人の患者さんが複数回入院して治療を
行った場合も、1例としてカウントされています。
 当院外科では、早期癌(StageⅠ)の患者さんも居られますが、進行癌の患者さんの割合が多い傾向になっています。再発した癌では、
抗がん剤治療を患者さんの状態に合わせて、外来・入院の両方で行っております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 47 22.28 82.83
重症 16 28.94 81.56
超重症 - - -
不明 - - -
 成人市中肺炎は、成人の肺炎から誤嚥性肺炎と院内感染による肺炎を除いたものです。
年齢、血液中の酸素濃度、意識障害、血液検査での炎症反応の値等を基に、重症度が分類されます。
中等症、重症、超重症ではいずれも平均年齢が80歳を超えております。高齢の方が肺炎を発症すると重症化しやすく、
治療期間も長くなります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 64 24.70 79.75 28.00%
その他 11 28.73 80.91 1.33%
〈脳梗塞について〉
 脳梗塞とは何らかの原因で脳血管が閉塞して脳に血液を送ることができなくなり、麻痺や言語障害等が起こってしまう疾患です。
脳血管障害(いわゆる脳卒中)の大半を占め、脳神経外科の救急疾患として最も頻度の高い疾患の一つであり、
早期の診断と治療が必要です。
 脳梗塞は、発症から4.5時間以内であればtPA(アルテプラーゼ)という血栓を溶かす薬が投与可能です。
効果があれば、症状は改善します。しかし、太い血管が閉塞した場合、tPAのみでは血栓を溶かすことができない場合が多いです。
そのような場合、血管内治療で血栓を直接回収する方法があります。血栓が回収できれば、状態は劇的に改善します。
当院ではすぐにMRIにて評価を行い、tPA投与、血栓回収術まで可能な限り行っています。
また早期よりリハビリ訓練を開始することで、少しでも状態をよくできるよう取り組んでいます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 44 2.23 4.88 0.00% 74.37
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 28 1.64 4.71 0.00% 76.18
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 17 4.94 20.65 5.88% 84.53
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 10 1.70 5.10 0.00% 66.40
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -
 経皮的カテーテル心筋焼灼術は、頻脈性不整脈に対するカテーテル治療です。電極のついた、カテーテルと呼ばれる細い管を
心臓内に挿入し、不整脈の原因となっている心筋組織や伝導路を焼灼します。

 虚血性心疾患(狭心症、無症候性心筋虚血、心筋梗塞など)に対しては、ステント留置術というカテーテルを用いる治療を行っています。
主に手首の血管からカテーテルを挿入し、心臓の血管を造影し、風船(バルーン)やステントと呼ばれる金属の管を用いて治療を行います。 
 カテーテル治療においては、足の付け根や肘から管を挿入することもありますが、主に手首から挿入することにより、
患者さんの負担の少ない治療を心がけています。

 ペースメーカー移植術は徐脈性不整脈に対する治療です。脈が遅いために気を失ったり、ふらついたり、心不全になったりする患者さんの
脈を、ペースメーカーで正常な速さの脈に調整します。ペースメーカーは電池で動いているので、交換が必要になります。
他院に入院中の患者さんが、当院で移植・交換を行った後、元の病院に転院する場合もあります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 24 1.33 7.96 0.00% 73.88
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 23 2.96 7.09 4.35% 68.74
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 18 0.11 1.17 0.00% 72.89
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 10 11.60 26.10 0.00% 76.00
K633-21 腹腔鏡下ヘルニア手術(腹壁瘢痕ヘルニア) - - - - -
 鼠径ヘルニアの治療では、負担の少ない腹腔鏡下手術を行っております。腹壁瘢痕ヘルニアと同時に手術を行う場合もあります。
高齢の患者さんが多く、術後の状態をしっかり看るため、術後在院日数が長くなっています。

 腹腔鏡下胆嚢摘出術の多くは、急性胆のう炎や急性胆のう炎後の患者さんです。種々の術前合併症を持っておられる患者さんが多く、
術後在院日数が長い傾向となっています。

 当科では内視鏡検査、治療を消化器内科医と協力して行い、ポリープ切除後に外科又は消化器内科で入院となっております。

 当科では悪性疾患手術も積極的に行っています。大腸癌の手術では、腹腔鏡下結腸切除術の他、結腸悪性腫瘍手術、
直腸癌手術なども行っており、実際の件数はこれより多くなっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) (膝) 40 4.43 36.55 7.50% 72.95
K0461 骨折観血的手術(大腿) (上腕) (肩甲骨) 32 1.59 44.69 31.25% 81.19
K0811 人工骨頭挿入術(股) 24 5.42 38.17 37.50% 85.13
K0462 骨折観血的手術(前腕) (下腿) (手舟状骨) 18 3.72 30.11 0.00% 81.39
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕)(下腿) - - - - -
 整形外科の手術で1番多くを占めるのは、股関節や膝関節などの関節変形に対する、人工関節置換術です。
変形した関節を人工関節に置き換えることで、関節変形による痛みを和らげ、関節の動きを改善します。
当院では特に股関節の手術が多くなっております。

 次に多いのは骨折に対する骨接合手術で、大腿骨や前腕骨の手術が多くなっております。骨折の状況に応じて、
スクリュー、髄内釘、プレート等を用いて手術を行っています。手術後十分なリハビリ、機能訓練を行った後、
自宅または施設に復帰されています。

 人工骨頭挿入術は、大腿骨頚部骨折で行う手術です。大腿骨頚部骨折では、転位が大きい場合など
骨癒合が得られにくいことがあります。その場合に折れた骨頭と人工骨頭を置き換える手術を行います。

 骨内異物除去術は、骨接合手術を行い骨癒合が得られた後、骨接合手術で使用した固定材を取り除きます。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) etc. 11 0.27 12.82 9.09% 74.36
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K1781 脳血管内手術(1箇所) - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
<慢性硬膜下血腫について>
 この疾患は、歩行障害・麻痺等で発症しますが、多くの場合、可及的に局所麻酔下に小さな穿頭で血種を洗浄する事が可能です。
術後症状は速やかに改善しますので、9割以上の患者様が当院から直接自宅に退院をされています。
 患者数が11名となっておりますが、集計条件があるため実際の件数より少なくなっております。

 この他、未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術やクリッピング術、急性期脳梗塞に対する血栓回収術、脳腫瘍や正常圧水頭症等の
外科的治療も行っております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 181 0.00 1.46 0.00% 77.26
K224 翼状片手術(弁の移植を要する) - - - - -
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない) - - - - -
 眼科では白内障に対する水晶体再建術が殆どを占めていて、片眼につき1泊2日または2泊3日の入院で治療します。
初診から1か月程度で検査、手術説明を経て手術という運びとなります。白内障手術は超音波で濁って固くなった水晶体を柔らかくして
吸引、残した水晶体嚢にそれぞれの方に合った眼内レンズを挿入するという手術です。痛みが少なく、術後視機能の回復も早い手術です。
 
 翼状片は角膜の鼻側縁部に結膜組織が三角形に侵入した状態です。侵入部分を切除し、再発を防ぐため切除で露出した部分を
弁で覆います。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 78 2.81 3.63 2.56% 68.36
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 64 3.59 9.58 1.56% 78.70
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 33 2.76 8.73 0.00% 77.82
K8412 経尿道的前立腺手術(その他) 18 11.56 13.89 0.00% 76.61
K821 尿道狭窄内視鏡手術 - - - - -
 泌尿器科で最も多い手術は尿路結石に対する体外衝撃波結石粉砕術です。この手術を実施している病院は少なく、
門司区では当院しかありません。そのため、多くの患者さんを他院より紹介頂いています。
本治療以外にも、経尿道的尿路結石除去術や経皮的腎砕石術などの内視鏡手術、開腹手術も行っています。

 次いで多いのは、膀胱癌に対する膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)です。
この他、膀胱癌では膀胱全摘出手術、尿路変更術や抗がん化学療法なども行っています。

 3番目は尿管狭窄に対する経尿道的尿管ステント留置術です。狭くなった尿管にステントを留置して尿流の確保や、
腎機能の温存を行います。

 経尿道的前立腺手術は、肥大した前立腺を切除する手術です。前立腺肥大症の治療には薬物療法もありますが、
尿閉や膀胱結石等の合併症を発症した場合は手術による治療が必要になります。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 55 0.02 1.00 0.00% 69.55
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 23 2.35 8.22 4.35% 76.17
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 15 1.53 7.33 0.00% 76.33
K654 内視鏡的消化管止血術 14 0.43 13.07 28.57% 73.64
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 10 0.40 5.90 0.00% 81.30
 当科では内視鏡検査、治療を行っております。大腸腺腫や胃腺腫、悪性腫瘍等の切除後、入院による経過観察を行います。
特に悪性腫瘍の場合、深くまで切除するため、出血が無いか再度内視鏡検査で確認します。

 腫瘍切除後の出血や、急性胃潰瘍・十二指腸潰瘍等による出血が内視鏡検査で認められた場合は、
出血箇所をクリッピングや焼灼で止血します。

 胆管炎や総胆管結石の治療では、狭窄した胆管の切開や、胆管を塞ぐ結石の除去を内視鏡を用いて行います。

 この他、肝胆膵領域の悪性腫瘍の診断、治療も行っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
 当院の昨年度のDIC、敗血症、真菌症の発生率は全て1%未満でした。
手術・処置等の合併症の発生率も全て1%未満でした。
当院で治療を行った合併症は、人工股関節脱臼、人工股関節のゆるみ、透析シャント閉塞等です。
入院中に起きたものではなく、入院前に問題が見つかり、治療のために当院に入院となった症例がほとんどです。
更新履歴
2023.10.1
令和4年度門司メディカルセンター病院指標公開